今回は2月に本決算発表のあった小僧寿しについてです.(2021年2月)
最近メディアにも取り上げられ話題沸騰してるので当ブログでも取り上げてみます.
株式会社小僧寿し[9973]とは?
まずは小僧寿しの概要についてです.
設立:1972年2月18日) (創設49年 来年で節目の50年!)
上場:1994年6月
資本金:約35億
主な事業内容:寿し店,持ち帰り寿し「小僧寿し」「茶月」,デリバリー「デリズ」
小僧寿しは2006年に「株式会社すかいらーく」によるM&Aから業務提携をし,相乗効果を図ったが業績低迷が続くため2012年に売却された過去もあります.
懐かしいのはドラえもんのCMで馴染みが深いからも結構おられるのではないでしょうか?
またドラえもんとコラボして人気を博して欲しいですね・・・
現在は昔の経営状況からか店舗数が少ないため,あまり近くに店舗がないという方も多いでしょう.
大阪にもわずか1店舗しかありませんでした・・・(都道府県別店舗)
次に最近の経営状況と決算発表についてです.
月次速報から決算発表・IR
なぜ今,小僧寿しが注目されているかというとやはりコロナによる影響です.
小僧寿しは2018年にデリバリー会社である「デリズ」を100%子会社としました.
このデリバリー事業がコロナによって飛躍的に伸びてきており,経営危機にあった小僧寿しを復活に導いています.
月次速報IR情報
コロナの影響を受け,11月こそGOTO イートの影響からか低い数字ですが,売上・客数ともに前年比で大きく数字を伸ばしています. (2020年12月期月次データ)
また,会社はコロナ禍を好機に捉えデリズの新規店舗を毎月のように発表開店しています.
決算発表
さて,2月19日に発表された決算についてです.
以下は連結損益計算書を抜粋したものです.(単位:百万円)
簡易P/L | 2019年度 | 2020年度 | 前年比(%) |
---|---|---|---|
売上 | 5,804 | 6,130 | 106 |
売上原価 | 2,498 | 2,950 | 118 |
売上総利益 | 3,305 | 3,180 | 96 |
営業損益 | -195 | 57 | — |
営業外収益 | 123 | 108 | 88 |
営業街費用 | 144 | 122 | 85 |
経常利益 | -217 | 42 | — |
特別利益 | 142 | 2 | 1 |
特別損失 | 23 | 17 | 74 |
当期純利益 | -116 | 27 | — |
企業の業績をみるにあたり,私は特別損益を除いた経常利益を重視するのですが見事に42百万の黒字化に成功しています.
ここが黒字化したことにより,継続して黒字を確保できる企業体質になったということがわかります.
ここには,記してませんが不採算店舗の閉店による影響からか販売管理費が約4億円ほど前年比より下がっていることにより営業利益も黒字に転じています.
また特別損益に関してですが,ここの数字による振れ幅が大きいと当期純利益に影響を及ぼし,法人税額にも影響することから企業は安定しません.
前年比に比べて数値の絶対値が明らかに低くなっていますので私の目線ではプラス傾向です.
内訳を見てみると,IR情報(繰延税金資産及び特別損失の計上に関するお知らせついて)でも発表されていますが
・臨時休業損失(コロナによる影響)
・店舗閉店による損失(不採算事業の閉店)
・その他特別損失(登記費用)
となっており,休業や閉店によるものです.ここを今年度以降縮小できるかが大事になってきますね.
臨時休業は仕方ないものだとして,店舗閉店は将来CFをプラスにするためのものです.
登記費用については新店舗拡大により今後も発生するのでしょうか・・・
・通期黒字化の達成
・黒字化体質の確保
・コロナによる特別損失の計上
今後の企業方針
決算短信に2020年度からの3年間の中期経営計画では,テイクアウトの寿司業態に依存しない,「小僧寿し」や「デリズ」のリブランド推進,「デリズ」の更なる出店展開を中心に計画を実施していくとの記述がありました.
やはり,デリズに力を入れており2020年度期間において80店舗の出店から2025年度には300店舗へと拡大する方針となっています.
こちらの計画が順調にいけば小僧寿しは栄光を取り戻しそうですね!
継続企業の前提に関する疑義注記の解消
小僧寿しは本決算をもって継続企業の疑義注記を解消しました.
継続企業の前提とは:企業は本来,永遠に事業を継続していくものとされておりその前提が怪しいときに企業はその詳細について決算資料において注記する必要があります.
これは度重なる新株予約権での資金調達により事業運営資金の当面の確保,デリズの好業績による黒字化による賜物です.
一方で,持ち帰り寿しのセグメントに関しては事業安定にまだまだ余談を許せないようです.
2021年度業績予想
2020年度決算発表後も間もない中,2021年度の業績予想が3/1に開示されました.
営業利益前年比154.1%,経常利益に関して前年比259.1%,親会社当期純利益402.1%という超絶IRを開示してくれました!
この目標数値に至った具体的な理由は分かりませんが,緊急事態宣言の一部解除,デリズの新規出店の拡大の推進によることで上記の数値目標を公表できる状態になったようです.
また,中期経営計画に関してはコロナの影響により修正が生じているため後日公表とのこと.
これがどの程度の修正なのかが心配ですね・・・
株価情報
小僧寿しの現在の株価はこちらです.
決算発表での黒字化,継続企業の疑義解消,21年度の計画発表によりここ数日株価が乱高下しています.
3/5にITmediaニュースに取り上げられる,プリキュアとのコラボ発表など怒涛のIRラッシュが続いていることから今後もしばらくは株価に注目ですね.
ちなみに,2015年度の経常利益55百万をあげていたときの時価総額が28億円だったのに対し今が72億円でした.過去と比較すると株価めっちゃ安い!となっていたのですが発行株式総数を増やしてますからどうしても割高に見えてしまうのですかね・・・
根拠はないですけど3桁の壁はいずれ超える気がしますので私自身はホールドしておきます.
まとめ
私自身,小僧寿しに関しては2020年5月の月次発表からホールドしており着実に保有数を増やしてきました.
そういう理由で成長して欲しいという下心もありますが,純粋に昔から馴染みの深い企業なので復活して欲しい気持ちでいっぱいです.
ともかく,小僧寿しは黒字化を達成し,メディアにも取り上げられ始め投資家を始め私生活において無視できない企業になりつつあります.
近くに店舗ができたら通いたいです・・・
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