[簿記2級]株式の発行.株式会社って何?例題付きで解説!

簿記
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今回から簿記対策シリーズ[日商2級]を書いていこうと思います.

まずは簿記を勉強する中で一番大事な株式についてです.

今回は,以下の書籍を参考に解説,問題の作成を行わせていただきました.

滝澤ななみ,「みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第7版 」,TAC出版,2018/2/26.

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[簿記]株式の発行.株式会社って何?例題付きで解説!

簿記2級で中心になってくる論点はほとんどの場合「株式会社」が中心です.

では,株式会社の「株式」とはなんでしょうか?

株式の発行の仕訳まで勉強しましょう.

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 株式?

株式とは,会社が事業拡大を狙ってお金を集める方法の1つです.

株という目に見えない紙切れを多くの投資家が買うことで会社に大量にお金が入ります.

この株式で得たお金には

たとえ破産してもお金を投資家に返す義務がない.(有限責任)

という特徴があります.

では,なぜ投資家はその実体のない紙切れを買うのでしょうか?
投資家にメリットはあるのでしょうか?

もちろん,投資家にもメリットはあります.

主に以下の3つとなります.

  1. 会社の経営に口出しをできる.
  2. 配当をもらえる.
  3. 株価が上がった時に売れば値上がり益を得られる.

会社の経営に口出しをできる

株式会社において一番偉いのは社長でも会長でもありません

その会社の株をもっている投資家です.

保有している株の数によって,株主総会で影響力をもつことができます.

株主総会とは,
会社の重要事項,役員の選任,解任を決定する機関のことです.
これは基本的に株数に応じて投票数が割り振られ,過半数を獲得したものを採用するという仕組みになっています.

一方,取締役会というものもあります.

取締役会とは,
役員が集まって会社の方針を決定する機関のことです
ここで決まった経営方針での活動結果を簿記で記録して株主総会で報告することになります

このように株主と経営者とで,会社における立場が違うことを所有と経営の分離といいます.

配当をもらえる

配当というのは,会社が経営活動で得た利益を株主に還元する仕組みです.

いわば出資してくれたお礼です.

こちらは必ずしもいくら出さなければいけないというものは決められていないですが,配当金の額については株主総会で話し合われて決められます.

株価が上がった時に売れば値上がり益を得られる.

株を保有しているのでその株を第3者に売ることもできます.

株の価値はその時々の株価によりますので,買ったときの株価よりも売った時の株価の方が高ければその差だけ投資家に利益がでます.


以上が株式の説明です.

次は株式を発行した場合の仕訳を見ていきましょう.

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株式の発行

会社が株式の発行をするタイミングは,会社創設時増資時になります.

増資とは
会社が既存の株式に加えて追加で株式を発行することをいいます.
主に新規事業を起こしたいときや大規模な事業を行う際にお金が必要となった時などに行います.

増資をした場合,資本金純資産を増加させます.

株式の発行の仕訳には原則処理容認処理の2パターンがあります.

では,株式を発行した時の処理を見ていきましょう.

原則処理

Q1.会社の設立にあたり,株式300株を1株50円で発行した場合.払込は当座預金

 (当座預金) 15,000 / (資本金) 15,000
*300 x 50=15,000

Q2 会社の増資にあたり,株式50株を1株70円で発行した場合.払込は当座預金

(当座預金)3,500 / (資本金)3,500
*50 x 70 = 3,500

このように,設立時も増資時も同じ仕訳処理となります.

容認処理

容認処理は,「払い込み金額のうち1/2以下であれば資本金に組み込まなくてもいい」というものになります.資本金の代わりに「資本準備金」純資産に組み込みます.

Q3 会社の設立にあたり,株式300株を1株50円で発行した場合.
 なお,払込金額のうち「会社法」で認められる最低額を資本金とする.
 払込は当座預金.

(当座預金)15,000 / (資本金)7,500
          (資本準備金) 7,500
*15,000 x 1/2 = 7,500

Q4 会社の増資にあたり,株式50株を1株70円で発行した場合.
 なお,払込金額のうち「会社法」で認められる最低額を資本金とする.
 払込は当座預金.

(当座預金)3,500 / (資本金)1,750
          (資本準備金) 1,750
*3,500 x 1/2 = 1,750

このように「「会社法」で認められる最低額」ということを言われたら払込金額の1/2資本金,残り半分を資本準備金にします.(増資時の処理も同様)

株式発行費用

株式を発行の際,証券会社への手数料などで株式発行費用が発生します.

株式発行費用は,設立時と増資時とで勘定科目が異なります.

設立時 : 創立費費用
増資時 : 株式交付費費用

Q5;Q3の条件に追記.
   株式発行費用1,000円は現金で支払った.

(当座預金)15,000 / (資本金)7,500
          (資本準備金) 7,500
(創立費)1,000 / (現金)1,000

Q6;Q4の条件に追記.
   株式発行費用1,000円は現金で支払った.

(当座預金)3,500 / (資本金)1,750
           (資本準備金) 1,750
株式交付費) 1,000 / (現金)1,000
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増資の手続き

増資がされるまでには手続きがあります.

  1. 株主の募集
  2. 株式の申し込み
  3. 株式の割り当て
  4. 払込期日(増資完了)

試験に出るのは,2と4についてです.

2では株式を買いたい人から申込証拠金というのを受け取ります.いわば株式の頭金ですね.

これを株式申込証拠金純資産で処理し,受け取った現金は別段預金資産で処理します.

Q7:会社の増資にあたり,株式50株を1株70円で募集したところ申込期日までに全株式が申し込まれ,払込金額の全額を申込証拠金として受け入れ,別段預金とした.

別段預金)3,500 /(株式申込証拠金)3,500
*50 x 70 = 3,500

4の払込期日到来のときには,Q7の株式申込証拠金を資本金に振替え,別段預金を当座預金などに振替えます.

Q8:Q7の払込み期日になった.申込証拠金を資本金に振り替えると同時に別段預金を当座預金とした.なお,払込み金額のうち「会社法」で認められる最低額を資本金とする.

(株式申込証拠金)3,500 /(資本金)1,750
            (資本準備金)1,750
 (当座預金)3,500 /(別段預金)3,500
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まとめ

今回は株式とは?というところと株式発行の処理をまとめてみました.

簿記2級から純資産の中で細かい分類がでてきますので少しずつ覚えていきましょう.

私自身用語自体を覚えようという気で勉強した記憶はなく,問題を解いているうちに自然と覚えていきましたので用語については軽く流す程度でいいです.

こういうときはこういう仕訳で.といったように手が動くようにしておきましょう.

簿記2級シリーズ第2弾「剰余金」の解説

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