株式取引をしている中で,エントリーをするタイミングの指標として買い残,売り残があります.
今回は買い残,売り残のそれぞれの用語の説明から私の考える買い残,売り残に対する意識をお伝えします.
買い残が多いと売り?売り残が多いと買い?
一般に買い残が多いとその銘柄は,今後下がる傾向にあると言われます.
その一方,売り残が多いとその銘柄は,今後上がる傾向にあると言われます.
ではなぜでしょう?
まずはそれぞれの用語について整理しましょう.
買い残,売り残(空売り)ってなに?
買い残
投資家が信用買いを行った後,売り戻してない残高
売り残(空売り)
投資家が信用売りを行なった後,買い戻しをしていない残高
信用売買というものは,現物買いとは異なり一度売買したものは半年以内に必ず買い戻し,売り戻しをしなければいけません.(証券会社からお金を借りているため)
買い残はその売り戻しを行なっていない市場に浮いている残高がどれほどあるかを示す数値です.
つまり,この信用買い残の分だけ近々株が売られることが決まっています.
売り残はその逆で買い戻しを行なっていない市場に浮いている残高がどれほどあるかを示す数値です.
こちらも,信用売り残の分だけ近々株が買われることが決まっています.
となると・・・買い残が多い時は手を出さず,売り残が多い時は買えば良いじゃん!
と思うかもしれませんが,そんなに株の世界は甘くありません.
投資家はこの知識があった上で何手先も読んで売買をしています.
信用残(買い残,売り残)が極めて多いケース
ここでは信用残(買い残,売り残)が極めて多いときに株価が上がるケース,下がるケースについて買い残を例に考察していきます.
売り残は基本的に買い残の反対なので割愛します.
買い残多けれど株価上昇
みんなの逆をつこうと裏をかいて買いに走る投資家も多くいます.
1.買い残が多い
2.それだけみんながこの銘柄に期待している!
3.ならば長期的には上がるはずだ!
という思考で買いに走る人も少なくありません.
この方々が売り圧力を上回ったときに売りを伴った上昇が期待されます.
つまり,「これだけ上がったから売ろう!」という投資家が増えて買い残も解消しながら上昇していくケースです.
私の考え
私はどちらかというとこの考え方をすることが多く,買い残を長い間多く抱えているところは短期では下がっても長期では上昇していく銘柄だと考えています.
買い残が多いということは売り圧力があるということの一方,上昇したいというエネルギーが溜まっていることを表していると考えているからです.
買い残多いがゆえ下降
こちらは,買い残の説明で触れたように素直に下がるケースです.
1.信用買いをした
2.株下落
3.売るタイミングを逃して売り戻し期限到来
4.あえなく売り戻し
このケース以外にも,2の時点で損切りを行う人.利益が出て売るタイミングを狙っている人が市場に影を潜めています.
信用買いを持っている人に共通して言えることは,現物取引投資家と比べ売るタイミングを秒単位で狙っていることです.
これが売り圧力と呼ばれるものです.
また,次のようなケースに注意です.(いわゆるナイアガラ)
- あるとき大量保有している投資家が1度に売ってしまった.
- 株価は当然大きく下がります.
- 信用買い投資家「このままだと損が大きくふくらむ」,「利益が減る」と戦々恐々の状態になります.
- 3の投資家たちが売る.
- 2へ
というように,2〜5が短時間でループしてしまうケースがあり大きな暴落を招くことがあります.
私の考え
私の考えとしては,銘柄の保有目的にもよりけりですが 1 が起きたときには勇気を持って損切りするのが賢明だと思います.
買い残が多い銘柄というのはこういったリスクがあるということを理解して取引するべきですね.
まとめ
では結局買い残,売り残に対してどう攻めたらいいの!?ということですが,正直なところ誰にもわかりません.
買い残が多いからといって必ずしも下がるわけではないですしその逆も然りです.
ただ買い残,売り残の特徴を抑え株価の上昇,下降ケースを理解しておくことでその時々の対処方法に必ず生きてくるものと信じています.
信用取引は現物に比べ額が大きいため株価の値動きは信用取引が鍵を握っています.
なのでこの信用取引を理解することで少しでも株式投資での勝率を高めていきたいですね.
最後に一言,投資は自己責任で...
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